疲れ目の解消
2016-11-28
数年前から電車の車内の様子が変わってきました。
本や雑誌を読んだり居眠りをしたりしている人が多かったのですが、今ではスマートフォンの画面に見入っている人が圧倒的に多いです。中には、歩きながらもスマートフォンから目を離さない人もいます。そして会社でも、一日中パソコンを使ってお仕事をされる方も多いかと思いますし、家に帰ってからもSNSやゲームに夢中になり、寝るまでモニター画面を見続けることになっています。現在、日本では約7割ほどの方がスマートフォンを持っているそうですが、それに比例して疲れ目を訴える人が増えています。
「夕方になると目がショボショボする」
「目の奥が痛くなる」
「頭痛や肩こりがする」
このような症状はありませんか?その要因の一つにパソコンやスマートフォンの光る画面を見続けていることがあるかもしれません。さらに、このような目の症状だけにとどまらず、体や心の不調にもつながるおそれもあります。メカニズムは明確ではないのですが、めまいや吐き気、食欲不振や便秘などの体の不調や、イライラや不安感、倦怠感や不眠など精神的な症状に発展することもあるようです。そのため、目の疲れを感じるようになったら放置せず、早めに自分に合った解消方法を見つけて始めることが大切と考えます。その前に、どうしてモニター画面を見続けると目が疲れてしまうのでしょうか?それには、パソコンやスマートフォンを使う時に共通する事が関係しており、大きく3点あります。
1、近くを見続けること
2、画面が明るいこと
3、1点を見つめ続けること
これらが目に与える影響として、目の機能に関連している筋肉が関係しています。
まず、1についてはピントを調整する「毛様体筋」が関係しており、毛様体筋は遠くを見るとリラックスしますが近くを見る時は緊張します。ということは、パソコンやスマートフォンの画面を見続けると、毛様体筋も緊張し続けるのです。
次に2については、目に入る光の量を調節する「虹彩の筋肉」が関係しており、明るいモニター画面を見続ける間、瞳孔を小さく絞りっぱなしにした状態となります。
最後の3については、眼球を支え瞳を上下左右に動かしている「外眼筋」が関係し、1点を見続けると凝り固まってしまいます。さらに、これらの目の筋肉は自律神経と脳神経の働きで動くため、全身の神経にも影響があると考えられています。
それでは、このように疲れてしまった目の筋肉を休めるには、どのような方法があるのでしょうか?まずは、モニター画面の高さを水平よりやや下に設定してください。スマートフォンの画面を見る時は下を向き過ぎないことなど、疲れにくい姿勢を心がけてください。そして、1時間に1回はモニター画面から目を離し、体を動かしたり遠くを見たりして、目や体の筋肉の緊張をほぐしましょう。さらに、ホットタオルなどで目を温めと自律神経の働きも良くなりますし、交感神経をリラックスさせ筋肉もほぐすことができます。このホットタオルは、水にぬらしたタオルをかるく絞って、電子レンジで温めます(熱くし過ぎないよう注意が必要です)。そのほか、小豆を使ったグッズや蒸気で温めるものなども販売されていますので、便利に使えるものを探すのもいいですね。また、モニター画面を見ていると、つい、まばたきが減ってしまいますので、意識してまばたきをするようにすると、涙によって潤いが保たれます。さらに、目を強く閉じて2、3秒保ち、大きく見開き2、3秒保つようなエクササイズによっても、目に潤いをもたらし、目の周りの筋肉のストレッチにもなります。このように、目の疲れをこまめに解消するように意識することは大切ですが、加えて生活習慣そのものを見直すことも大切です。休日に丸一日、パソコンやスマートフォンから離れてみてはいかがでしょうか。
案外、それはそれで何とかなり、ストレスを感じていた事に気づくかもしれません。もちろん、仕事も私生活も、パソコンやスマートフォンなしでは難しくなっていますが、使う時間を減らしてみると、違う世界を発見できるかもしれません。