体の柔軟性が大切な理由
2016-05-27
前回でもお話ししましたが、自分自身が介護される年齢になる前から、できる限り自分の事は自分でできるような体作りに対しての意識を高める事は大切です。
ある程度の年齢になれば、なんらかの症状があり病院に行くと「加齢のせいですね」と言われてしまうことが多くなるように、年齢を重ねていけば、生理機能の減退による身体活動能力や日常生活動作能力が低下していきます。
厚生労働省が平成22年に行った調査によると、介護が必要になった主な原因の中で「骨折や転倒」は脳卒中、認知症、関節疾患、高齢による衰弱についで5番目に多い結果となっています。
その対策として、年々減少していく筋力低下を防ぐ(特に下半身を中心に)筋力トレーニングの重要性はよく聞かれることであり、ウォーキングや山登りをする中高齢者も多いようです。
しかし今回は、介護を必要としない強い体をつくるために、柔軟性について考えていこうと思います。
もしかしたら、少し意外に感じられるかもしれませんが、体が十分に機能を発揮するには、関節の可動域が大きく、スムーズに動かすことができることが大切です。
割と多くの方が意識されていると思われる筋力の維持や増進と同様に、体の柔軟性も放っておくと加齢とともに失われていきますので、柔軟性にも、ぜひ、意識をしていただきたいと思います。
それでは、まず、柔軟性を高めることのメリットを挙げてみます。
1、怪我をしにくくなる
2、筋肉の老化を予防する
3、運動能力が上がる
4、血液の流れが良くなる
それでは、一つずつみていきましょう。
1の「怪我をしにくくなる」についてですが、関節の可動域が大きいと、体が硬い人が肉離れや骨折をしてしまう場合でも、少し捻挫など痛めたりする程度で済んだりします。
例えば、強風によって硬い木の枝はポキっと折れてしまいますが、柳の木の枝はしなやかにしなり折れません。
次に2の「筋肉の老化を予防する」については、柔軟性を維持、または高めるために行うストレッチによって、筋肉が引っ張られたり伸ばされたりします。
その結果、柔らかい状態の筋肉には血も通いやすく、必要な栄養素や水分も供給されます。
3の「運動能力が上がる」については、関節の可動域が広いということは使える筋肉の量も増えますので、当然、柔軟性がないより運動能力は上がります。
最後に4の「血液の流れが良くなる」ですが、ストレッチなどによって柔軟性を高めていくと筋肉も柔らかくなります。すると、筋肉に流れる血液の流れがよくなりますし、筋肉の動きによって血液の流れも改善されます。
この4の「血液の流れが良くなる」ことによっては、疲労物質も排出されやすいということで、疲労回復も早くなることが期待できますし、疲労自体も感じにくくなるかもしれません。
また、肩こりや腰痛の緩和も期待できます。
さらに、基礎代謝が上がりダイエットがしやすくなったり、冷え性が改善されることなどが期待できます。
以上をお読みいただくだけでも、体の柔軟性を維持したり、高めていくことに、多くのメリットを感じていただけると思います。
まずは、お風呂上りやお休みになられる前のリラックスした時間に、毎日、少しずつ始めてみられるのがいいでしょう。
鼻呼吸をしながら決して無理をせず、筋肉が伸ばされて気持ちいいと感じるくらいのストレッチをお勧めします。
辛いと長続きしませんし、体を痛めてしまっては本末転倒です。
まずは3週間つづけられる程度のストレッチから始めてみてください。
3週間経ったあと、体の小さな変化に気づかれると思います。