生活習慣病を予防する睡眠
2017-11-20
日本ボディーケア学院では、睡眠障害や睡眠負債の改善が期待でき
る「経絡ヘッドスパ講座」を開講しておりますが、良い睡眠は生活
習慣病予防にもつながり、逆に不眠はうつ病のような心の病に深く
関係します。睡眠がはたす役割は重要なのです。今回は睡眠につい
てお話しします。
先にも触れましたが、睡眠不足は生活習慣病に影響します。適切な
睡眠時間より極端に少ない人や、逆に8時間以上と長い人は、高血
圧や糖尿病、メタボリックシンドロームなどにかかる危険性が高ま
ることが分かってきました。これは、食事や運動などの生活習慣の
乱れや、食欲に関係するホルモンに悪影響を及ぼすからと考えられ
ます。特に、睡眠不足が続くと太りやすくなるということが研究で
明らかになってきています。それは、睡眠が足りないと、食欲を増
進させるホルモン(グレリン)の分泌が増えたり、満腹を感じさせ
るホルモン(レプチン)の分泌が低下することで過食傾向になるた
めと考えられています。
ここで、睡眠中に分泌されているホルモンについてお話しします。
睡眠中は、身体の健康の維持、増進にかかわる次のようなホルモン
が分泌されています。
成長ホルモン:子供の成長や身体の修復にかかわるホルモンです。
眠り始めの深いノンレム睡眠時間に活発につくられます。また、飢
餓状態にある状態で最も活発に分泌されますので、寝る直前まで飲
食するような習慣は改めましょう。
メラトニン:体内時計を正常に保ちます。暗くなると分泌が活発に
なります。
コルチゾール:ストレスに負けない状態を作ります。明け方に分泌
が活発になります。
その他、免疫にかかわるサイトカインなど、健康にかかわる様々な
物質がつくられています。
次に適切な睡眠時間とはどのくらいなのでしょうか。個人差があり
ますが、成人で6~7時間と考えられます。自分の適切な睡眠時間
を知るには、まず同じ睡眠時間を1週間続けることから始めます。
例えば、6時間睡眠を1週間続けて、日中に強い眠気に悩まされず
週末まで元気に過ごせるのなら、6時間が適切な睡眠時間と考えら
れます。もし、日中、眠くて仕方ない状態だったり、週末になると
お昼間が眠いようなら、次の1週間は7時間の睡眠にしてみましょ
う。
寝床に入って目が覚めている時間は加齢とともに増加していきます
が、これは自然な変化ですので不安に思わないでください。眠ろう
と意識しずぎたり、不安や恐れがあったりすると頭が冴え、寝つき
の悪さや浅い睡眠につながります。眠れない場合は、開き直って本
を読んだりして遅く寝たり、早く起きたりして、翌日の眠気を誘う
よう切り替えるといいでしょう。
しかし、眠れないからと言って、テレビやスマートフォンを見たり
することはお勧めできません。良い睡眠をとるための方法をお伝え
します。
まずは、規則正しい食生活。そして、適度な運動の週間です。次に、
寝る直前まで活発に動いていると、脳が興奮状態にあるためスムー
ズに眠りにつくことを妨げてしまいます。眠る前はリラックスして
過ごせるよう自分なりのリラックス法を見つけましょう。また、寝
室の環境も大切です。静かで暗くし、湿度や温度も適切に保てるよ
うにしましょう。そして、眠くなってから寝るようにすることによ
って、眠れない不安を取り除くことができます。また、一定の時間
に起きて朝日を浴びることで、体内時計をリセットすることができ
ます。
逆に避けてほしいことは、寝る前に過度にお酒を飲んだりカフェイ
ンをとったり、喫煙することです。寝酒は入眠するまでの時間は短
くしますが、浅い睡眠時間を長くしたり、睡眠時間を短くしたりし
ますので、控えてください。
このようなことは決して難しいことではありません。睡眠の大切さ
や身体に与える影響を知って、心と身体の健康につながるような良
い睡眠をとるよう心がけてください。