脳の健康を考えた食生活
9月に入り暑さも和らいできた頃ですが、
やる気がおこらなかったり不眠が続いたり、
集中力が低下したり・・・
夏の疲れが溜まっているのかな?と感じることはありませんか?
しかし、その症状は脳に必要な栄養素が
不足しているからかもしれません。
身体の栄養については
何となく聞いたり読んだりすることがありますが、
脳の栄養についてはちょっとピンッとこないかもしれませんね。
今回は脳の健康を保つ栄養についてお話しします。
先ほども少し触れましたが、
脳が栄養不足になると集中力ややる気が低下したり、
不眠になったり、疲労感やたちくらみ、
ストレスを感じやすくなります。
その脳に必要な栄養素はビタミン、ミネラル、タンパク質などで、
これらが不足すると脳内の神経伝達物質を
うまく作り出すことができず、上記のような症状があらわれます。
その神経伝達物質とは、
意欲や記憶、学習能力をつかさどる
ドーパミンやノルアドレナリンなど。
そして、興奮した脳を鎮めてくれるキャバなど。
精神を安定させるセロトニンなどです。
これらの神経伝達物質のバランスが崩れると
心の状態も不安定になります。
次に脳に必要な栄養素について
一つ一つ確認していきましょう。
まずはタンパク質です。
筋肉や皮膚など身体をつくる基本的な栄養素であり、
脳の活動に必要な神経伝達物質の材料にもなります。
効率的に摂り入れるには、
動物性タンパク質を生で食べることです。
卵かけご飯や刺身などです。
次にビタミンB群も
神経伝達物質をつくり出すために必要な栄養素ですが、
カツオやマグロ、サケ、レバーなどに含まれています。
次に鉄ですが、
全身に血液を運ぶ役割を担っているため
不足すると脳内の酸素も不足し疲労を感じやすくなったり、
たちくらみなどの症状があわられます。
赤身の肉やレバーなどに含まれ、
ほうれん草など植物性の食材に含まれる
非ヘム鉄は吸収率が悪いので、タンパク質やビタミンCを
一緒に食べると吸収を促してくれます。
さらに気をつけたいのは脂質で、
特にコレステロールは脳の細胞膜や
ストレスがかかると対抗するために分泌される
ステロイドホルモンの材料になります。
サバやイワシなどの青魚に
DHAやEPAなどのn-3系脂肪酸が含まれています。
逆に、お菓子やパンなどに使われる
ショートニング、マーガリンやマヨネーズなどに
含まれるトランス酸は、脳にも悪影響を与えることが
分かっているため、摂り過ぎに注意しましょう。
次に脳はどのように
栄養素を取り込んでいるのでしょうか?
それは毛細血管を通して脳細胞に
栄養を取り込んでいるのですが、
さらに「血液脳関門」という他の組織にはない
システムが備わっており、
脳に必要な栄養素だけが
脳内に入るようになっています。
また、脳のエネルギー源であるブドウ糖とケトン体、
酸素などはそのまま通過できますが、
アルコールやニコチン、カフェインも
関門をくぐり抜けることができ悪影響を与えますので、
過剰な摂取に気をつけてください。
さて、ブドウ糖は脳のエネルギー源となりますが
気をつけないといけないことがあります。
ブドウ糖の原料となる糖質を過剰に摂り続けると、
血管や脳細胞の老化を進める「糖化」を招きます。
糖化とは、消費しきれなくなったブドウ糖が
タンパク質と結合して変性しAGEs(終末糖化産物)と呼ばれる
異常タンパク質を作り出す現象です。
さらにAGEsは分解されず蓄積し、
血管や脳細胞のタンパク質にダメージを与え、
血管の劣化や脳の機能低下を招く原因となるのです。
午後に眠気が襲ってきたり、
常に甘いものが欲しくなったり、
食後は集中力や判断力が低下するなどの症状があれば、
糖質の摂り方を見直してみましょう。
さらに、糖質は主に
「単糖類」「二糖類」「多糖類」に区別され、
血糖値の上がり方に違いがあります。
急激な血糖値の上昇は脳の働きを不安定にしますし、
急激な血糖値の乱高下を繰り返すことで動脈硬化が進行し、
心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす原因になります。
ショ糖のように短時間で血糖値が上がりやすい糖類より、
多糖類のでんぷんを含んだ食品を選ぶといいですね。
中でも血糖値の上昇が緩やかな豆類はおすすめの食品です。
その他、精製されていない食品を摂ることや、
よく噛んで食べることや、食べる順番を食物繊維を多く含み
血糖値の上昇を穏やかにする野菜を先に食べることも、
脳の老化を防ぐことに役立ちます。
今回は毎日の食事について、
脳の健康から考えてみました。
脳の重さは体重の2%ほどですが、
全身で使うエネルギーの18~20%も消費します。
それほど、脳は働いているということですね。
ぜひ、脳がエネルギー不足にならないよう、
脳の老化を防ぐよう、
食生活を少しずつ改善していきましょう。
日本ボディーケア学院