大人のぜんそく
2017-06-20
ぜんそくと聞けば小児ぜんそくを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかし、一口に「ぜんそく」と言ってもいくつかの種類があり、子供の病気とは限りません。まず、ぜんそくの原因にはアトピー型と非アトピー型の2タイプがあり、ハウスダストや花粉など特定のアレルゲンが引き金となって起こるアトピー型は子供に多く、原因となるアレルゲンが検査で特定できない非アレルゲン型は大人に多い特徴があります。また、ぜんそくの種類もいくつかあります。
成人ぜんそく
大人のぜんそく
小児ぜんそく
子供のぜんそくで、ほとんどが6歳までに発症し思春期までに治ることが多いのですが、成人ぜんそくに移行する場合もあります。
咳ぜんそく
風邪など感染症がきっかけとなります。ゼーゼーとかヒューヒューという音がしたり息切れなどの発作はなく、空咳が長期間続きます。
職業病ぜんそく
仕事で扱う物質がアレルゲンの場合に起きます。
運動誘発ぜんそく
激しい運動によって起こります。多くの場合は、運動中止後から30分程度で発作は治まります。
アスピリンぜんそく
解熱消炎薬の成分であるアスピリンなどによって起こります。中年以降に発症することが多く鼻づまりや嗅覚の異常を伴うことがあります。
以上のように色々種類があるぜんそくですが、近年、成人ぜんそくが増えています。この要因として、排気ガスによる粉じんやPM2.5などアレルゲンの増加など、私たちを取り巻く環境の変化やストレスや過労などと関係していると考えられます。しかし、成人ぜんそくは、はっきりとしたアレルゲンが特定できないことが多く重症化しやすいことがあります。
ぜんそくは「気管支ぜんそく」が正式な病名で、空気の通り道である気道の粘膜に慢性的に炎症が起こっている病気です。そこに何らかの刺激が加わると発作が起こり、呼吸困難や激しい咳が出るなど様々な発作の症状が起こります。もう少し詳しく説明しますと、ぜんそくの人の気道の粘膜は発作の症状がない時も赤く腫れており、空気を通す気道も狭くなっています。その気道に少しでも外部からの刺激が加わると過敏に反応し、気管支を取り巻く平滑筋が収縮してさらに気道が狭くなるのです。異物を排除しようとして粘膜から出る分泌液が増加し、痰の量が増えることで気道が塞がれ発作的に呼吸困難が起こります。
ぜんそくにはいくつか種類がありますが、その中の咳ぜんそくと風邪が長引いていると勘違いして放置してしまうこともあります。違いを見分けるポイントは次のとおりです。
・乾いた咳が2ヶ月以上続く
・明け方に咳き込む
・風邪薬などを飲んでも症状が治らない
・息が吐きにくい
・季節の変わり目や、日によって咳の症状が変わる
このような症状がある場合は、風邪にしても咳ぜんそくにしても早めに病院での診察をおすすめします。
また、COPDといって慢性閉塞性肺疾患という病気とぜんそくも間違えられやすいので注意しましょう。このCOPDは、たばこなどの有害な空気を吸い込み続けることで、気道や肺に障害が起こる病気で日常的に咳や痰、息切れなどが起こるのが特徴です。一方、65歳以上のぜんそく患者でCOPDを合併しているのは4人に1人です。近年増加傾向にある高齢者のぜんそく死の大きな原因として、COPDとの合併による呼吸機能の低下や双方の病気の重症化が指摘されていますし、喫煙はあらゆるがんとなるリスクを高めてしまうことを心に留めておく必要があります。
もし、ぜんそくを疑う場合は呼吸器科やアレルギー科を受診しましょう。そして、せんぞくと診断された場合の治療法は薬物療法が中心となります。多くの場合、症状のほとんどをコントロールすることが出来るようになりました。また、生活環境や生活習慣を見直すことで発作が起こるリスクを減らすことが出来ます。
アトピー型の場合は原因が判定しやすいのですが、非アトピー型の場合は、発作を起こした状況や環境を書き留めておき、共通する事項がないか検証するようにしましょう。そして、いずれの場合も次のようなことに注意して生活するようにしましょう。
・十分な睡眠をとる
・バランスの良い食事をとる
・アルコールを飲み過ぎない
・ストレスをためない
・たばこをやめる
・こまめに掃除をしてほこりやダニなどのアレルゲンを取り除く
現在ぜんそくの症状がない方も、ぜんそくにならないとは限らないわけですから、上記の注意事項はぜんそくの方に限らず留意するべきことのようです。
日本ボディーケア学院