日常生活からの免疫力アップ
2017-07-23
「免疫力を高めましょう」とよく耳にしますが、免疫とは何でしょうか?私達の健康にとって重要な「免疫」について知り、日頃から免疫を高めるような生活が出来るように考えていきましょう。
それでは、まず「免疫」についてですが、私達が生活している環境では、目には見えていなくても、また見えにくくても、ウイルスやカビや細菌、寄生虫などが存在しています。これらは、私達の健康をおびやかし、さらに伝染するおそれがあります。そのような環境で私達は日々、生活をしているわけです。当然、ウイルスやカビや細菌、そして寄生虫などが体内に入ってくることが考えられます。その時にすばやく排除して自分の体を守るしくみが免疫なのです。このように、体外から入ってきた異物を感知して攻撃して排除するのですが、水ぼうそうのように1回かかると情報が残るので、2回目にかかった時は1回目よりも症状が軽く済みます。これも免疫の働きです。さらに、体外からの異物だけでなく、体内で発生したものも攻撃することがあります。例えば、がん細胞です。私達の体の中では毎日数千個のがん細胞が生まれているとのことですが、このがん細胞を見つけ出して撃退します。
このような働きをする免疫には、自然免疫と獲得免疫があるのです。
自然免疫は生まれつき持っているもので、異物を飲み込んで分解するマクロファージ、たくさんの突起をもつ異物を取り込む樹状細胞、細菌やカビなどを食べる好中球、単独で行動して感染した細胞やがん細胞を殺すNK細胞があります。これらが私達の体の中をぐるぐる巡回して、侵入してきた異物を発見して食べたり、攻撃してくれます。さらに、攻撃するだけではなく、異物の存在をヘルパーT細胞という免疫の司令塔の役目をしている細胞に伝えます。それにより、感染した細胞やがん細胞を殺すキラーT細胞や抗体を作って攻撃するB細胞に指令が届き、一緒にウイルスや細菌やがん細胞を攻撃して体を守ります。このヘルパーT細胞やキラーT細胞、B細胞は生まれてから獲得し続けている強力な免疫で獲得免疫といいます。
さて、この免疫は、自律神経と内分泌と合わせてお互いに強く影響し合っています。つまり、免疫と自律神経と内分泌のいずれか一つが乱れると、全体的に乱れてしまうのです。例えば、自律神経が乱れると免疫の働きが低下して風邪をひきやすくなったりするという感じです。女性は排卵や妊娠、出産などによって、女性ホルモンの分泌が大きく変動しますし、30歳半ばからは卵巣の働きが低下し始めるため、免疫にも影響があると考えられます。そのため、個人差はありますが、30歳半ばからは食事や運動、睡眠などについてさらに気をつける必要があるでしょう。
それでは、最後に免疫をアップするコツをお伝えします。
まず食生活ですが、食事は体内に取り入れる行為ですから、とても重要です。タンパク質を多く摂りましょう。それは、免疫細胞が作り出す抗体がタンパク質で出来ているからです。肉や魚、卵、豆腐チーズや牛乳などです。そして、免疫の70%が存在していると言われている腸の環境を整えるものを食べることも免疫アップにつながります。例えば、納豆や味噌、醤油などの日本古来からの発酵食品やヨーグルトなどの乳酸飲料、カボチャやキャベツやリンゴ、海藻類、玉ねぎ、ごぼう、白ネギ、バナナなど食物繊維を多く含むものを食べて腸内環境を整えていきましょう。
次に運動ですが、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動がおすすめです。血行や新陳代謝を改善し、体に酸素を取り入れ、体温を高めること知られています。この体温を高めることは大切で、体温が1度下がると免疫力が3割も低下すると言われています。そのため、お風呂はシャワーで済ませず湯船に浸りましょう。湯船に10分ほど浸ると体温が約1度上がると考えています。
最後に睡眠ですが、寝るタイミングが深夜であるとか、昼夜逆転や徹夜など、不規則な生活を送っていると自律神経やホルモン分泌のバランスが乱れてしまいます。そうすると、免疫力も落ちてしまいます。質の良い睡眠は免疫力にはとても大切です。そのためにも、寝るまえに飲食をしたり、テレビやパソコン、スマートフォンの画面を見ることは止めた方がいいでしょう。
このようなことに気を付けてストレスをためず、常に笑顔で過ごす生活が免疫を高めることになるでしょう。